塩釜神社の荒神輿
春の風物詩として地域にしっかり定着している塩釜神社の帆手祭は、日本三大荒神輿の一つに数えられている。元々は正月の神輿洗神事で、火災鎮圧の祭りとして行われていたものを、毎年続いた火災により地域の景気が冷え込んだことを憂いて、1682に地域の若者が大明神に挽回を祈願したことに始まった。
その後海にゆかりのある「帆手祭」と呼ばれるようになったもので、厄払いや景気回復の願いを込めて神輿が繰り出される。祭りのクライマックスは何といっても、「男坂」と呼ばれる202段の表参道を重量1トンという荒神輿を、16人の若者が駆け上がる緊迫した瞬間である。見物人から思わず歓声が上がるひと時でもある。
この「帆手祭」は3月10日に行われるが、翌4月22日には「花祭」が行われる。こちらは寛永年間(1772?81年)の初めごろ、水害や日照りが続き農作物が全く実らなかったため、困り果てた農民たちが、塩釜神社にほうさく祈願したところ、気候も安定し作柄も回復した。このことを感謝して1778年に氏子祭りとして神輿を出すようになった。このほかにも、毎年海の日(今年は7月22日)に「みなと祭」も催される。