つきたて餅
旧伊達藩領では、「ごちそう」や「おもてなし料理」と言えば、今も昔も「お餅」と決まっています。結婚式や入学祝い、新築祝いなど人が集まるあらゆる行事に「お餅」が振舞われます。宮城県が誇るおいしい餅米と言えば「ミヤコガネ」ですが、その主な産地が政宗公により開拓された大穀倉地帯・大崎耕土の一画をなす加美町宮崎地区です。
平成7年に農村研究グループのお母さんたちが「宮崎の餅文化をいつまでも伝えていきたいと、リーダーの鎌田みつ子さんと、街西部の「陶芸の里」に「つきたて餅」という小さな茶店をオープンさせました。今では商工会館まちづくりセンターにも姉妹店「餅茶屋」があり、週末には、ごま、くるみ、ずんだ、あづき、雑煮などが用意されています。
たっぷりと手間をかけたお餅は観光客にも好評ですが、奥羽の森から湧きだした清らかな水で育った「ミヤコガネ」は、粘りがよくキメ細やかです。大地の恵みが口いっぱいに広がりますが、「餅は世話をごちそうにするもの」というもてなしの気持ちを守るお母さんたち、その心が込められているからこそ、みんなに喜ばれているのでしょう。