地底の森ミュージアム
仙台市太白区富沢にある「地底の森ミュージアム」は、昭和62?63年小学校建設のための事前調査が行われた際に発見された「富沢遺跡」の中にあります。遺跡内では30回目の調査だったので「富沢遺跡第30次調査」と呼ばれています。近世・中世・平安時代・古墳時代・弥生時代の水田跡、植物の根や茎がよく残っている泥炭層、その下からは縄文時代の穴や倒木の跡が見つかりました。
さらに2m下(現在の地面から約5m下)からは、約2万年前の石器時代に生きた人々の活動跡と森林跡が一緒に発見されました。これは世界的にも貴重な発見だったので、富沢遺跡を発掘されたままの状態で保存して公開するために、建設を予定していた小学校を別の場所に立てることになりました。その後、平成8年2月に開館しました。
仙台市では、富沢遺跡第30次調査の貴重な成果から調査対象地区を保存するとともに、積極的に公開・活用していくこととし、樹木や焚火跡を大地から切り離さずそのままの姿で保存処理をして展示・公開する「富沢遺跡保存館」と、発見された樹木などをもとに旧石器時代の植生を復元する「氷河期の森」を一体的に整備しました。富沢遺跡保存館は、富沢遺跡の活用を通して、旧石器時代の歴史や文化の理解を深めることを狙いとしています。