お蕎麦 妙庵
青葉区国見ヶ丘の「妙庵」では、そばの持ち味を純粋なまでに磨き出したそば料理が味わえます。店主の趣味のよさを窺わせる内装、調度品、器。そしてこれらの装飾品や器まで、季節によって提供されるメニューとともに変わる。店主の小畑さんは、東京の名店「箱根暁庵」、「無窮庵増音」などでの修行に留まらず、和食、フレンチ、イタリアンと東京の名だたる店で下積みを重ねてきました。
これらの修行によって培われた技と心が、そば料理に凝縮されているというわけです。そばは、のど越しを大切にした、そば粉十割の洗練された細切り。殻をむいた丸抜き粉挽きの「ざる」と殻の付いた玄そば挽きの「田楽」があり、そば粉は小畑さんが自ら毎日石臼で挽いている。石臼で挽くことの意味は、そばの風味を最大限活かすところにある。
製粉業者などで行われている一般的な機械挽きは、その工程で熱をそばに与えてしまうため、そばの香りが飛んでしまうことが多い。その点石臼は熱を持ちにくい。ただし、当然のことながら手間暇がかかる。しかし、自らの店で製粉することにより、挽きたての粉を使える強みもある。こうすることで、初めて「挽きたて」「打ち立て」「ゆでたて」のそばが提供できるというわけです。