美里町の齋林本店?その1
美里町小牛田の齋林本店は、地酒や梅酒に力を入れています。昨年春に改築した、築約百年という店蔵がシンボルのお店です。「昔は普通の酒屋でしたが、特徴を出そうと、10年ほど前から地酒に重きを置くようになりました」というのは、6代目店主の齋藤高史さんです。そして今は、地酒に加え常時約70種類の品ぞろえがあるという梅酒が評判です。
「5、6年前、梅酒のイメージを変える出会いがあったんです」と話す。その経緯は、まず京都で「青谷の梅」の喉ごしの良さに驚き、直後に和歌山の「八岐(やまた)の梅酒」の芳しい桃の香りに衝撃を受けた。「完熟した梅は桃の香りがします。あちらは完熟で仕込むから、甘みやコクが違うと知ったんです」。それ以降、梅酒を含む和リキュールの魅力にはまったのだということです。
その後、東北の青梅で造る梅酒の爽やかな美味しさも改めて見直し、ラインアップに加えた。「和リキュールは、お酒として確かな地位を確立しました。これからも楽しみですね」。一方齋藤さんは、地酒の潮流も見逃がしていません。「各蔵元さんが、さらに酒の精度を上げようと頑張っています。消費者は、かつてのブランド志向から、自分好みの酒を探すようになってきました」。