うなぎのはなし
先日ある新聞に、うなぎの生態が解ってきたという話が載っていました。生まれたばかりのうなぎが何故習性として何千キロも移動するのか、祖先のDNAが染みついているとは言いながら、全てのうなぎがそうした行動をするにはそれなりの意味があるということです。そういえばサケが産卵のため生まれた川に帰って来るのも不思議と言えば不思議です。
ムサシにもそういうところが確かに感じられました。生まれて間もなくわが家の住人になったわけですから、自分の祖先のルーツなど知る由もないはずなのに、祖先の出身地の様子を全て熟知しているようなところがありました。もしかすると、そのことがムサシ達の誇りなのかもしれませんが、それにして不思議ですね。
人間の場合もそうなのでしょうが、動物の方がルーツをわきまえて、祖先の教えを守り抜く姿勢が強いように思われます。うなぎとムサシは別に関係ないのですが、彼らの純な気持ちがとてもいじらしく感じられます。ムサシにとって、そうした動物達の習性を人間に理解させようとすることが、生きることのテーマだったのかもしれません。