「影を慕いて」発祥の地
青根温泉裏山に広がる野鳥の森自然公園には、温泉街から約1時間で廻れる遊歩道があります。そして、そこには国民栄誉賞に輝く古賀政男の歌碑が建てられています。「人生の並木路」「悲しい酒」など、日本人の心を歌った名作は、今でも深く私たちの心に息づいていますが、この作曲家古賀政男の代表作である「影を慕いて」の歌碑がここにあるのです。
福岡県生まれの彼の碑が何故ここにあるのかはあまり知られていませんが、大不況の昭和初期、希望を失った彼は青根温泉を訪れ、死ぬ気で青根の雑木林をさ迷っていた時、一緒にマンドリンをやっていた仙台の友人が闇の中で必死に自分を探す呼び声を聞き、我に返ったということです。あの名曲「影を慕いて」はこの絶望感から生まれたというのです。
歌碑の前に立つと、まぼろしの影を慕いて…のメロディが森に響きわたります。名曲を生んだ蔵王の雄大な自然に癒される思いです。川崎町では平成2年から、毎年10月第1週に「影を慕いて」歌謡コンクール全国大会を開催し全国から歌自慢を集め、日本一を決めます。当日は入場整理券が必要とのことですが、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。