鳴子温泉の誇り?その4
鳴子にはあの源義経にまつわる伝説があります。兄頼朝からの追跡を逃れて平泉に下る途中、瀬見温泉から山越えして鳴子に出る時、義経の北の方が男児を出産する。そして鳴子の河原で湯を使ったところ、始めて鳴き声を上げたため、この地を啼子と呼ぶように鳴り、後に鳴子となった。その場所は、現在の「姥の湯旅館」の近くとされています。
姥の湯の名前も、その伝説にちなんだものといわれています。姥の湯は全て源泉の違う、4つの源泉を持つことでも知られています。鳴子を流れる江合川の河原には、今もお湯が湧き出る場所があります。鳴子温泉駅の北側付近から堰堤を伝って河原に出ると、硫黄で白く濁った湯が湧き出ており、夏場には観光客が即席の露天風呂を楽しむこともあります。
その河原近くの国道沿いには、「東多賀の湯」と「西多賀旅館」の2つ宿が並んでいます。東多賀の湯は乳白色であるのに対し、西多賀旅館は鮮やかな緑白色をしています。東多賀の湯の乳白色は、石膏や硫黄の成分によるものですが、湧き出てすぐは無色であり、そののちに真っ白な濁り湯となる。ここは、アトピー治療のため訪れる長期湯治客もいます。