動物の供養をする僧侶?その2
転機は1998年に訪れたとのことです。妻の実家に行ったとき、道で車にはねられて死んだタヌキを見つけた。道の脇に移して合唱するうちに、「お寺と縁ができたのに、自分はお経さえ読んであげられない」という思いが込み上げ、突然、ミクのことを思い出した。その日の夜、長福寺住職である絵里さんの父と酒を飲んだ。
義父から「息子たちが寺を継ぎたがらないんだ」と愚痴を聞かされたとき、思わずこう口走っていた。「僕に継がせてください」。新潟市のお寺で修行をしたのち僧侶になった。長福寺の檀家の了解を得て、お寺に小さなペット霊園を開いた。ホームページを開設すると、ペットの供養をして欲しい人たちが全国からやってくるようになった。
長福寺では、ペットの葬儀を行なう時、「遺体」を本尊に最も近い所に安置し、対面するように「遺族」を座らせて、横田さんは一番後ろでお経をあげる。葬儀が済むと、遺族が愛した動物の話に熱心に耳を傾けるという。「僕が動物のため、動物を愛する人のために生きているのは、今でもミクを失ったペットロスが続いているのかも知れない」と話している。