ほんの少し悔いること
テレビなどでよくみる盲導犬は、わが家のムサシと同じラブラドールレッドリバーが多いようである。従順で利発な働きぶりを見ると少し誇らしげに感じることもあるが、やはり役目を終えてリタイヤするときのシーンは何度見ても辛くて悲しい。そんなときは、正直言ってムサシをそばにおいてよかったとつくづく思う。
しかし、ムサシの仲間を見ていると辛い仕事をしているようには見えない。むしろ、働いて人の役に立つことを喜んでいるようにも見える。ムサシも実はそうなのである。ずっと以前に警察犬の訓練所に預けたときも、訓練の順番が回ってくるのを楽しみにしていたという。やはり、ムサシにとって人に喜んでもらえることが生き甲斐なのだ。
ちょっぴり悔いることとはそのことなのである。今にして思えば、店の看板犬としてデビューさせていれば、さぞお客様から喜ばれ、生き甲斐を感じたのではないかと思うことである。食べ物を扱う店であるため遠慮させてもらったつもりなのですが、活躍する場面はいくらでもあったのではないかと思うところもほんの少しあります。