素晴らしき仲間たち
散歩のときよく見かけるワンちゃん達が少しずつ少なくなってきているように思われる。確かに気のせいではない。こうしてみると10年という月日の重みを改めて感じないわけにはいかないが、ムサシもまたそうした思いで仲間たちを見つめているようだ。しばらくぶりに旧友と出会うと、一頃とは一味違った挨拶を交わす姿が一層そう思わせる。
10.年前にムサシが街におみみえしたときは、クロラブは殆ど見かけなかったが、今では少なくとも数匹は見かけるようになっている。初めはあまり顔立ちなどには興味がなかったが、よく見ると同じラブでも丸顔でやや大型、足も長いタイプとムサシのように面長で少し小柄なタイプがあることに気づき、性格の違いなどにも興味を持つようになっていた。
ムサシもそうであったように、若いころはやんちゃで動きも活発だったが、10歳にもなると、すっかり落ち着いてボール遊びなどにもあまり興味を示さなくなった。それでも仲間が遊んでいる様子を遠巻きに眺める姿は、横丁のご隠居さんか町内会長の風格があり、なかなか絵になる姿である。お互いにそれなりの年輪を重ねてきたということなのか。