鳴子名物栗だんご
鳴子温泉はいわずと知れた宮城県を代表する温泉の一つである。最近は道路が整備されたため、より身近な存在となったが、それだけに列車に揺られて徐々に近づく臨場感が懐かしく感じられます。この温泉街の一角にある「深瀬」というお店の栗だんごは、元祖と名乗るだけのことがあり、観光客にも人気が高い逸品です。
初代の主人が大正時代に考案したのが始まりというから、それ程昔のことではないのですが、なんとなくレトロな味わいがあり、温泉気分を味わう小道具的な役割を担っているようです。さて、その中身はというと、栗が入った柔らかいもちに、しょう油味のくずあんがかかっているだけという至ってシンプルにものです。
添加物は一切使わず、その日のうちに食べてもらうため、売れ行きをみて日に何回も作るという拘りようです。秘伝のためかあまり公表されていませんが、察するにあのだんごの材料はもち米の粉ですね。というのは、歯ざわりからしてあの柏餅とよく似ているからである。そんな詮索はともかく、鳴子に行ったらまずは栗だんごですよ。