「大漁唄い込み」のふるさと田代島
エンヤドットの掛け声で有名な「大漁唄い込み」は、その昔斎太郎節と呼ばれていました。斎太郎とは人の名前で、彼は石巻にある伊達藩の鋳銭場(造幣所)で働いていたが、ふとしたことからトラブルを起こし、その罪を問われて田代島(石巻市)に島流しにされてしまいました。
彼はその後この田代島で漁師をしながら余生をおくったが、その時に舟を操りながら歌ったのが「斎太郎節」であるといわれています。これを宮城県の民謡歌手が編曲して「大漁唄い込み」となったものです。威勢の良い掛け声から察すると、斎太郎は漁師として成功したのではないかと勝手に想像しています。
確たる根拠があるわけではありませんが、それ程重い罰を受けたとも思えない彼が、何故一生をこの島で過ごしたのかと考えたとき、ふとそう思ったのです。もしかすると成功などはどうでもよく、気楽な稼業がことのほか気に入ってしまったのかも知れませんね。いずれにしても、毎日が大漁だったことだけは確かのようでうらやましい限りです。