遂にその日が来てしまいました
実はこれまで103回にわたり、「わが家のムサシ」というタイトルでお話させていただきましたことは、去年の4月12日までのものでした。本日皆様にお伝えする話も去年の4月13日の出来事です。その前日もムサシは全く食事も水も受けつけませんでした。私たちはただ傍について声をかけてやることが精一杯でほかには何もできませんでした。
夜も更けてきたので、交代でムサシを見ようという事になり、とりあえず私が二階に上がることにしました。1時間ほど経ったでしょうか、ちょっとうとうとした頃、ムサシの声で飛び起きました。階段の下でムサシが私を呼んでいるのです。慌てて降りてくると、外に出たかったらしいので、しばらく外の空気を吸わせてあげました。
少し落ち着いたようなので布団に戻したのですが、間もなく不自由な体をよじらせながら私のところに擦り寄ってきたので腕枕をしてやりました。そこで一呼吸すると、左前足を大きく振り上げながら5回大きく叫び、そのまま静かに息をひきとりました。5回の雄叫びはきっと私たちと3人の息子達へのお別れの挨拶だったのでしょう。