万石浦の景観
万石浦は渡波港の奥深く牡鹿半島の山々に囲まれた巨大な入海です。この万石浦から佐須浜地区の尾崎から韮崎間は「県立硯上山万石浦自然公園」に指定されています。近世初期には、入江式による製塩が渡波流留地区で行われていましたが、ここはアマモ場が発達し、カレイやメバルなどの石巻湾の漁業を支える水産資源の保育場になっています。
万石浦という地名の由来は、仙台藩二代藩主の伊達忠宗が「干拓すれば優に一万石の米が採れる」といったことによると伝えられています。水深が深いところでも3mと浅いため、干潮時には潮干狩場として活用されていますし、カキやノリなどの養殖も盛んで、特にカキの稚貝は全国のカキ養殖場に種苗として供給されています。
また、観光拠点としても整備が進められており、1613年に伊達政宗の命により支倉常長らを乗せ出帆した慶長使節船が再現され、サン・ファン・バウティスタパークに展示されています。ここは約2万坪の敷地で万石浦の入り口に当たる場所ですが、ここから眺める夕日はまた格別で、太平洋の雄大さを改めて感じさせてくれます。