北上川の渡し舟
登米市豊里鴇波洗堰上流から対岸の登米市津山柳津まで、日曜日を除く毎日11往復渡し舟が運行されている。定刻以外でも事前に連絡すれば舟を出してくれるといいます。今も地域の大事な足として重宝がられています、最近はちょっと事情が変わってきたようです。というのは、この渡し舟が数年前にテレビ番組で取り上げられてから、芸能人が訪れるようになったからです。
ある番組では、ダニエル・カールが来たし、TOKIOも乗せたと話すのは、船頭の今野正弘さん(75歳)でです。テレビ放映以来すっかり人気者になった今野さんは、たちまち地域の人気者になり、渡し舟も全国に知れ渡るようになったとか。県内はもとより東京や岐阜など遠方から乗りに来たというからたいしたものですね。
舟の座席はビールケース、屋根などはもちろんないのですが、クルージングをイメージして訪れた人も何故か新鮮味を感じて帰られるということです。矢切の渡しのように、「親の心に背いてまでも明日に漕ぎ出す」というような悲壮感などここにはありません。ゆったりとした川の流れ、のんびりとした対岸の景色、そして老船頭の笑顔が一枚の絵に納まっている感じです。