期待される認知症サポーター
高齢化の進展に伴い認知症の患者も一定の速度で増加しているという。厚生労働省の推計によると、2020年には300万人に上ると見られているが、症状が軽い場合は、外見や話し振りでは判別がつかないこともあるという。適切な対応をとることで治療できたり、進行を遅らせることができる病気であるのに、気づかないために症状が悪化する場合があるとのことです。
厚生労働省は2005年から呼びかけている「認知症サポーター百万人キャラバン」キャンペーンは、自治体や市民、企業などにも拡大しつつあるようです。認知症サポーターに期待される役割は、まず、発症者の異常な行動をじっくりと時間をかけて見極め、本人の尊厳を傷つけないように接して焦りや嫌悪感を和らげることにあるようです。
「痴呆」という呼称が「認知症」に変わっても、家族などに負担がかかるためか、迷惑な存在であると考えている高齢者が多く、それだけに、周りの人の気づきも遅くなるという悪循環が生まれることになる。これは医学的には病気であることは確かですが、社会的には加齢による現象と捉えるゆとりがないことに起因するのではないでしょうか。サポーターの真の役割は、対処する業もさることながら、受け止める心をより広くもつことが重要ではないでしょう。