石巻市雄勝の「おめつき」
宮城県指定無形民俗文化財になっている火伏せ行事「おめつき」が1月24日に行われます。秋葉神社で神事が行われ、住民たちが今年1年の防災や大漁、家内安全を祈願した後、4つ契約講の法被を着た男たちが赤や黄色、青の造花で飾った山車を担いで、地区内を威勢よく練り歩きます。そして、途中4つの集落で休憩しながら、即興で寸劇が行われます。
この祭りは、石巻市雄勝町名振地区に伝わる伝統行事で、当日は寸劇を楽しむ見物客で浜に笑い声がこだまします。寸劇の会場には、子供の背丈ほどの道祖神が置かれ、「人も魚も子孫繁栄するように」祈ります。「芸能部員」と称する男性が「魚介類穴場を探せ」などと見物客に質問し、あてた人に貝や魚が贈られます。
カメラ愛好者が多く詰めかけ、軽妙なやりとりを写真に収められるお祭り「おめつき」は「思いつき」がなまったもので、祭りの中で即興の寸劇を行うことから、そう呼ばれるようになったということです。今から220年前に地区の大部分が焼ける大火事があり、秋葉神社をつくって防火を祈ったのが始まりとされています。