旨いもの家 いま井
定禅寺通りの喧噪から離れ、細い路地を入った所に、楚々として佇む古民家があります。その引き戸を開けると、しっとりとした和風空間が広がります。南町通にあった「いま井」がここに移ったのは4年前のことです。創業以来30年、親方の気さくな人柄と真摯な情熱から創り出される確かな味に惹かれて、多くの食通達が足繁く通ってきます。
毎日、午前中から丹念に仕込む手間暇惜しまない酒の肴。中でも、看板は10月から4月にかけて登場するアンコウ鍋は圧巻です。白味噌と肝を1対1で合わせ、丁寧に裏漉して鰹ダシを加えたスープは濃厚でまろやかです。しっかりとした歯ごたえのアンコウの身、プルンとした皮、バターのようにコクのあるあん肝、野菜に豆腐、全てが上質で存在感があります。
さらに、引き締まった身に脂の乗った金華サバの棒寿司、芯タンだけを使った贅沢な牛タン、高清水のゴールデンポークや地元の魚で仕立てる一品料理も最高です。東北の四季を綴る多彩な旬の味と地酒や焼酎との相性も抜群。開店当時からの名物「茶巾シュウマイ」と和風人参ソースでいただく「魚介サラダ」も健在です。