堤町の伝統工芸品
仙台市営地下鉄北仙台駅の近く、旧奥州街道に堤町があります。ここは藩政時代に侍の内職から生まれた仙台の工芸品の町です。堤町の産業として作られていた堤人形。西の伏見人形と並ぶ、日本を代表する土人形の一つと言われています。昭和の初めまで使用されていた土型を譲り受け、堤人形や松川だるまを制作・販売している店があります。
堤町には仙台古来の焼物である「堤焼」の展示館もあります。堤焼は4代藩主伊達綱村公が植村万右衛門に作らせたのが始まりといわれています。肌の粗さと独特の釉薬から生まれる風合いに特長があります。十人十色の顔を繊細に描いている点では、日本の土人形の内でも最高傑作の部類に入ると評価されています。
今年の干支は寅ですが、何ともユーモラスで可愛いので思わず手が出てしまいました。堤町という名前は、堤すなわち溜池があったことによるものです。この地では、生活用品全般を焼いていたということなのですが、現在では仙台の伝統工芸品として定着し、仙台箪笥や伝統こけしなどと並び、多くのフアンから親しまれています。