石巻の茶色い焼そば
昔懐かしい焼そば、地元の人に言わせるとここ石巻は焼きそば発祥地だそうだ。石巻では、茶色の生麺を使うのが一般的ですが、この茶色い麺はせいろで二度蒸しするのが特徴という。そうすることでより香ばしくなり茶色の自然な風合いが引き出されるのだそうです。今でもこの麺を焼きそばに使っているのは全国でも石巻地域だけと言われています。
石巻地方独自の茶色い麺が開発されたのは、昭和20年代後半から30年代にかけてのことだということが関係者の話で分かった。その人物は、当時石巻地区製麺協同組合の組合長を勤めていた春元製麺所の故菅原春治さんです。氏は奥州市(岩手県旧前沢町)の出身で、1950年頃に、石巻で製麺所はじめたとのことですから、そう古い話ではないようです。
茶色いそばを開発するきっかけとなったのは、焼いてもべた付かない麺ができないかという娘さんの要望に応えた形でできたということのようです。使った麺は粘りの弱い普通粉でしたが、麺を蒸して水で冷やすなど試行錯誤を繰り返した。茶色になるのは麺に含まれる鹹水(かんすい)と熱の作用によるものです。