過ぎたるは、なお及ばざるが如し
青森県の日本海側では、ハタハタの漁獲量が33年ぶりに1000トンを超え、前年の8倍となったという。適度の豊漁であれば、消費者も冬の味覚を存分に味わえると喜ぶところなのでしょうが、前年の8倍ともなるとさすがに新鮮味が失われてしまうのでしょうか。市場価格はどんどん下がり、子持ちの雌でさえ1キロ百円(浜値)を割ることがあったとか。
ハタハタと言えば、「秋田名物八森ハタハタ、男鹿で男鹿ブリコ」と秋田音頭にも謡われたぐらいで、秋田の文化そのものなのですが、かつては、豊漁が続き、捕れすぎで価格が暴落し、今年の青森のように「箱代にもならない」といわれるほど豊漁貧乏が続いた時期もあったが、開発による海洋環境の変化と乱獲などにより漁獲量は激減した。
秋田県では、平成4年から3年間に亘り自主禁漁に踏み切る一方、稚魚の放流に力を注ぎ「育てる漁業」を実践してきた。その努力の結果がこのような形で表れようとは思っても見なかったことでしょう。「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」とはこのことで、ほどほどであることの難しさを改めて感じさせられました。