ありがたいお客様かたぎ
団体で来店されるお客様の中には、当初から積極的に買い物をなさる方ばかりではありませんが、ある時点を境に猛然とダッシュすることがよく見かけられます。それはリーダーとおぼしきお客様が商品を手に取り品定めを始めた時です。
それまで積極的ではなかった人もリーダーの行動に刺激を受けて、商品を手に取るともうこれを手から離そうとはしません。その瞬間に商品の所有権が自分に移ってしまった気分になってしまい、他の同一品では代替がきかなくなってしまうのでしょうか。
こちらとしては、商品を掴んだまま売場を移動するお客様に対して、ほんのちょっぴり不安もよぎるのですが、そこは善良なお客様のこと、そんな心配をよそに手の跡がくっきりついたその商品を改めて注文し、満足そうに微笑みながら帰って行かれます。