七ヶ宿ダム
釜房ダムが仙台の水がめなら、七ヶ宿ダムは宮城の水がめである。県南エリアをはじめ仙台市や松島町など8市町、約193万人分のみずを供給している。同ダムへ足を運ぶ際は、ぜひ施設見学することをおすすめしたい。30分、60分、90コースがあるので、訪れる人の都合に合わせて見学できるのもうれしいところだ。
管理署の屋上から同ダム自慢の大噴水をみることからはじまり、普通は入れない提体内部を管理・点検するための監査部と呼ばれる進路から、クレストゲート(放流設備)操作室、そして地下62mの監査廊地下3階まで下りる。ここまで来ると、夏でも肌寒さを感じるほど低い気温を体感できる。薄暗く涼しい通路から、今度は一気に外の下流公園へ出る。無数の岩が積まれた提体を下から見上げられる広い空間で、ここは見学コースでしか行けない場所だ。
積雪や降雨が多かった年の春先は、自然越流を見られるかもしれない。最後にダム一体の上まで行って、ダムのスケール感や高さなどを肌で感じて見学は終了。中でも、電灯を消すと真っ暗くなる監査廊の通路壁面に取り付けられた、たくさんの青色LEDによるイルミネーションは幻想的だ。テーマは「青の洞窟」で、夏と冬とで点灯バージョンが異なる。いずれも点灯の瞬間は歓声が上がるそうだ。山紫水明の地として知られる七ヶ宿は、豊かな自然と同時に「わらじで歩こう七ヶ宿」など、藩政時代に参勤交代として栄えた歴史を持つ町として知られる。