マンガはいい
オヤジはどんなに忙しい時でも、新聞のマンガは欠かさず見ている。マンガはボクたち動物の世界と人間の世界が一緒になって展開していく。それもその世界に入り込めば、全く違和感がなく、現実の暮らしもかくありたいものだと思わせてくれる。例えば、オヤジが愛読しているお馴染みの四コマ漫画「ぴよちゃん:河北新報掲載」のストーリーは、ぴよちゃんの家のネコ又吉君の弟分である野良ネコのハチの話でした。元々彼は、住むところがないので、お寺の縁の下を定宿にしていました。住職は頑固もので大のネコ嫌い。当然住職はハチを見つけると、すごい剣幕でハチを追い払おうとします。そんな犬猿の仲であった住職とハチですが、又吉の粋な計らいもあり、徐々に心を開き始め、今では文字通りハチをネコ可愛がりに可愛がり、とても面倒見のいいお爺さんになっています。そんな暮らしが定着し、不法侵入者であったハチも、今ではお寺さんの住人として平和に暮らしています。さて、今回のお話ですが、住職がある紙きれを見ながら、一人でクスクス笑っていました。
するとそこへ住職の奥様が外から帰ってきて(ここはオヤジの想像、ほんとは外から来たかどうかは不明)、あら、どうしたの! といいながら住職から紙きれを取り上げて読んでみると、それは何とハチの予防注射の予約券だったのです。このマンガの面白いところはここからです。その予約券の名前の欄に、「梅田ハチ」書いてあったのです。それを読んだ奥様は、「梅田という名字がついていたことで、住職が喜んでクスクス笑っていたのだとわかり、住職をからかった、というわけです。ハチが縁の下に住み着くことを許した時もそうでしたが、ハチが可愛いと素直に認めず、しぶしぶ受け入れたというそぶりだったので、その照れくささもあってか、本心はとても嬉しかったのに、一人笑いをしていたのでした。文章で説明すると、こんなに長ったらしいものになってしまいますが、マンガでは、それをたった二コマで表現してしまう。実に見事だというわけです。そういえば、ボクに予防注射の通知が来たとき、オヤジも同じような思いだったに違いありません。
だから、なおさら住職のハチに対する思いに感動したのかもしれません。それに何の気兼ねもなく、ぴよちゃんの兄弟として暮らしている又吉君とボクが重なるのかもしれません。オヤジとボクの出会いも似たようなものでしたから! ボクや又吉君、ハチのように理解のある人間がそばで暮らしているのは幸せですが、食べ物も満足与えられず、劣悪な環境で毎日を過ごし、おまけに殺処分が待っているという仲間もたくさんいます。梅雨の晴れ間に、アジサイの花を眺めるという優雅な生活を送ってきた幸せを今しみじみかみしめています。マンガ「ぴよちゃん」も、幸せな又吉君の暮らしぶりを描くことで、動物の存在を訴えているのかもしれません。してみれば、このブログ「わが家のムサシ」も何らかの役割を果していかなければならないのかもしれません。そのうちに、「ぴよちゃんと又吉くんがわが家に遊びに来たというコラボもあり得るのではないか」と、勝手な想像をしています。いずれにしても、動物と人間がヒトとモノの関係ではなく、命あるものとして共存できる世の中になるよう、根気よく訴えていきたいと思います。