ほやの味噌汁
初夏に旬を迎えるほや。「ほや貝」と呼ばれることもありますが、実は貝ではありません。「尾索動物」に分類され、人間などの「脊索動物」に近いグループです。2,000種以上もある中で、食用になっているのはほんの一部。日本では真ほやと赤ほやが食べられています。ことしのほやの生育状況は順調です。現在は、消費先の7割を占めていた輸出が禁止されています。ほやは、宮城を代表する味覚の一つ。たくさん食べて地元を応援しましょう。ほやは鮮度が命です。殻付きほやは、パンパンに張っていて太っているものを選んでください。剥き身なら、オレンジ色が鮮やかで、つやのあるものが新鮮です。
時間が経つと鮮度が落ち、苦みが増してくるので、買ってきたらすぐに調理するようにしましょう。ほやの90%は水分ですから、ビタミンやミネラルが凝縮されています。消化吸収がとてもよく、タンパク質もたっぷり。旨味のもとで、疲労回復や集中力を高める効果があるグリコーゲンも豊富です。夏のホヤは春のホヤと比べると、甘みと量が8倍近くになります。また、一つ食べれば一の日に必要な鉄分の量の1/3程度を満たすとも。脂質の一種で認知症予防に効果があるといわれているプラズマローゲンも含まれています。今回のレシピは、健康効果で大ブームの味噌汁です。味噌汁一杯に含まれる塩分量は、一品の食塩量としては少ないほう。
余分な塩分の排出を促すカリュウムにより、高血圧を予防します。ほやと味噌は相性抜群。お好みで豆腐やじゃがいもを入れて、具沢山の味噌汁にするのもお薦めです。鮮度の良い殻ほやをつかうのが一番ですが、むきほやや蒸しほやでも美味しく作れます! ほやをさばくコツは、ほやの上部2つの突起をチェック。+と-になっており、+の方の根元から切り落とします。なかの水分が飛び出るので、シンクの中で包丁を入れるとよいでしょう。殻をギュッと握り過ぎないのもポイントです。次に、殻から外した身を裏返し、肝臓を取り外して真水で排泄物を洗い流します。洗いすぎると旨味が逃げてしまい、身も縮むので注意しましょう。