光明寺の紅葉
北山の光明寺は、1283年に伊達家4代目当主政依により、福島県伊達郡に創建されました。その後伊達氏にしたがって1604年に現在地に移されました。境内には支倉常長の墓と宣教師ソテロの記念碑が寄り添うように建っています。ご存知のように支倉常長は、伊達政宗の命により、ソテロを案内人にして慶長遣欧使節団を率い1613年に石巻の月の浦から出帆しました。
その後メキシコを経由してヨーロッパに渡り、スペインでキリスト教の洗礼を受け、ローマ法王にも謁見しました。しかし、通商交渉は成功せず、1620年に帰国した時は、すでに、キリシタン禁止令が敷かれており、失意のうちに常長は翌年病没し、ソテロは1624年に処刑されてしまいます。数奇な運命をたどった常長がひっそりと眠る光明寺は、この時期、鮮やかな紅葉で彩れます。
北山地区の東の端に位置する光明寺は、山門前の参道から本堂に至る樹木の赤や黄色が美しい。このような紅葉の景色の中にあって、時代に翻弄された支倉常長を偲びながら、寺の界隈を散策し、歴史に触れてみることをお勧めます。北山五山の一つに数えられる光明寺は、特にオオバ菩提樹が有名です。古拙群と落ち着いた佇まいで心和むひと時を過ごせば、明日の活力が蘇ることでしょう。