絆ロール
南三陸町の泊崎半島にある旅館で、8年ほど前から美味しいロールケーキを作られています。東日本大震災の際には、在庫してあった1,000本を、近くの避難所や安否確認に訪れた人々に配布したところ、いつしか「絆ロール」として知られるようになりました。その後、この「絆ロール」は、南三陸町産の一等級のわかめと宮城の伊達の旨塩を使ったものに進化しました。
ここでケーキ作りをしているのは、絆カンパニー株式会社代表取締役の三浦宮倫子さんです。三浦さんは、「この地域の漁業を盛り上げるために、わかめを使ったロールケーキを作ろう」と思ったのだそうです。しかし、初めは納得のいくものができず、途方に暮れていたところ、宮城県水産試験センターの担当者から、「一緒にやってみませんか」という声掛けがあり、6ヵ月ほどかけて完成しました。
この商品へのこだわりは、上質のわかめを使うこと、きれいな色が出て、細かくしても存在感がきちんとあることにあるようです。「最初はこんなに美味しくできるとは思っていませんでした。たくさんの人にこのロールを知ってもらいたいです」と三浦さんは言っています。今後については「震災後から、日常に戻ることが大事だと思っています。この絆ロールを長く続けられるように、地に足をつけて、スタッフたちと助け合いながら頑張っていきます」と力強く語っていました。