地酒と薫製 うみぼうず
定禅寺通りのけやき並木沿いに立つビルにあるのが、「地酒と薫製 うみぼうず」。いかにも新鮮な魚が楽しめそうな雰囲気だ。店内に入ると、早速、関内浩店長は大きな皿に今できたばかりという薫製を盛り合わせてくれた。ホヤ、アジ、カキ、貝ひも、たらこのそれぞれが燻された色合いもおいしそうで、食欲が刺激される。釣り好きお爺さんに連れられて、小学生時代から渓流や海に行っていた関内さん。
その後、魚介の燻製のおいしさと出会い、燻製暦はかれこれ20年になる。仕入れた塩釜の魚屋さんからで、さらに並ぶ品々も宮城県産が多い。魚をさばき、燻製液に浸け、水分を抜くなどの下ごしらえをしてからクルミ、桜、ナラ、オークのチップを混ぜて燻す。「この煙をあてるのは十ある工程のうちの一つ。でも煙をあてると何でもおいしくなるんですよ」と関内店長。例えばホヤの燻製。
こうばしい薫りを楽しんだ後にホヤの旨みが広がって、2度楽しめる感じが嬉しい。これから美味しさを増す宮城特産のカキも、地酒をさらに進ませるに違いない。酒は「田酒 純米酒大吟醸」など希少なものが並ぶ。店を始める前はサントリー関連会社で生ビール担当だったとあって、ビールもウイスキーも充実。お客さんは40から50代のサラリーマンが中心で、単身赴任の人も多いという。店長が釣ったイワナの昆布締めや、ひそかに用意されているイワナの骨酒といった隠れメニューに出会える幸運もあるとのこと。