仙台 東照宮
早朝、掃き清められた境内には、鳥たちのさえずりが響き、まさに野鳥の楽園という雰囲気です。表参道から見上げると山門の偉容が際立ちます。東照宮の創建は、伊達家二代目忠宗が、東昭大権現・徳川家康公を守護神として祀りたいと、徳川三代将軍家光に願い出たことによるものです。そのため、御祭神は徳川家康であり、境内には(御遺訓)が記された看板もたっている。仙台の東照宮は全国の東照宮の中でも珍しく、御三家に匹敵する豪華さで造られているものだという。徳川家康が葛西大崎一揆のために岩出山に出向き、約1ヶ月間滞在したのち、江戸へ戻る途中、天神様があったこの場所で休息をとった。
家康がこの地をたいそう気に入ったという故事と、ちょうど仙台城から鬼門となる北西の方角に位置していることから、当時玉手崎と呼ばれていたこの地が選ばれた。ちなみに、その天神様はその後、榴岡天満宮として現在の場所へ遷座されました。本殿、唐門と透塀、随身門など国指定重要文化財がいくつもありますが、その多くが東日本大震災で被害に遭いました。現在は修復も終わり、境内は春の桜並木、夏の新緑、秋の紅葉と季節ごとに美しい風景を見せています。例年、初詣はたくさんの参拝客が足を運び、1月14日の夜にはどんと祭の盛大な御伸火に人が集まり、一年の息災を祈る姿が見られます。
また、毎月第4日曜日の早朝から、境内で開かれている「仙台古民具骨董青空市」も有名です。26年の歴史を持つこの骨董市は、酒器から茶器、古布、古銭をはじめ、つい手に取ってみたくなる年代物の品々が並ぶ気軽な市です。骨董市は年末年始もカレンダー通りに開催されます。恒例により1年に1度行われる例祭は、東照宮の中で最も重要なお祭りです。4月の第3土日の春祭には、伝統神楽をはじめ様々な催事が開かれ、境内にずらりと並ぶ出店の間を、家族連れや子供たちなど多くの市民が訪れ賑わいます。