大好きなコマーシャル
テレビのコマーシャルは、正直いって少し鬱陶しい感じがします。しかし、オヤジもボクも、しばらく前から心待ちにしているコマーシャルがあります。それは、小型犬のおばあちゃんわんこと、これから家を出て独立する娘さんのやりとりを描いたものです。そのやりとりは、およそ次のようなものだったと思います。『娘さん:初めてあった時、なんかさびしそうだったね! ワンちゃん:そっちこそ! 娘さん:ずいぶんおばあちゃんになったね! ワンちゃん:そりゃあ歳も取りますよ! 娘さん:ちょくちょく帰ってくるからね! ワンちゃん:たまにでいいよ! 娘さん:じゃあね。ワンちゃん:じゃあね。』
たったこれだけの会話なのですが、その背後には居心地のいい住環境や家族愛が滲み出ていて、とても中身の濃いコマーシャルだと感じています。面白いものや重厚で説得力のあるコマーシャルは他にもたくさんありますが、ボクたちにとっては、なぜか、このシンプルなやりとりがとても心地よいのです。シンプルということでいうと、「赤ひげ先生! 130超えると血圧高めなのです。」と言いながら、ドリンクを差し出すと、先生はごくりとそれを飲み、「これでみなも喜ぶことだろう!」というあのコマーシャルでしょう。何を訴えたいのかはよく解ります。しかし、ただそれだけですよね。
もちろん、コマーシルには色々なアピールの仕方があり、必ずしも製品そのものをアピールするだけではなく、時にはブランドや企業イメージに重点を置いたものもあります。いずれしても、視聴者の心に残るコマーシャルというのは、シンプルでありながらストーリー性があるという特徴があるような気がします。その点でいうと、娘さんとワンちゃんのかけあいに終始するこのコマーシャルは、時間の経過や日々の暮らしぶりをも想起させてくれます。まさに、「何もたさない、何もひかない」といった感じです。ただ、残念なことに、お母ちゃんがこのコマーシャルを見るチャンスに恵まれていないことです。