仙台駄菓子本舗 熊谷屋(その2)
藩政時代、城内では白砂糖が使われ、駄菓子は黒砂糖だったそうです。仙台駄菓子の特徴の一つとして糯米を使用したものが多いが、その材料の一部は、一説によると、伊達政宗が戦いの兵糧として使った仙台糒が起源とも言われているとのこと。「伊達62万石、実質100万石とされた仙台藩の豊富な米のお陰で、仙台駄菓子が生まれたといえるかも知れません」。
「うちの駄菓子は全て手作りですが、それぞれの駄菓子には、いまでいうレシピみたいなものがなく、長年の職人さんから若い職人さんに受け継がれる技術だけ。季節や気候などによって、配合も特徴も変わりますから、10年でも一人前とはいえない、それほど難しいものです」。祖母の話によると、仙台空襲のとき、子どもを抱えて必死に逃げるのが精いっぱいで、代々伝わったものは、全て焼失してしまったとのことです。
仙台が舞台で映画・テレビ同時展開のアニメ「WakeUP・Girls!」に熊谷屋が登場しました。アイドルを目指す主要登場人物の一人が、何と熊谷屋の娘さんという設定。震災復興の一助として企画されたらしく、企画段階で話をいただき快諾しましたが、おかげさまでアニメの聖地巡礼に多く若い方が来てくれました。懐かしいといわれる駄菓子ですが、昔からの食べ物は素材や作り方が健康的で安全なので、若者にもやさしい食べ物です。