悪ふざけとユーモアの中間
近年は、電話によるセールスが特に多くなったような気がします。柔らかく丁寧な言葉づかいはよしとするものの、「お忙しいところ恐れ入ります」で始まるわりには、相手の都合など全く配慮せず、一方的な商品説明や、実質的には情報収集に等しい内容で、「間に合っています」という言葉をどのタイミングで発したらいいのか、戸惑うことも結構あります。つい先日も、判で押したようなイントロではじまり、こちらの定番情報を確認すると、商品説明を始めるという営業アプローチがありました。
オヤジは、仕事に一区切りつけてトイレに立とうとしていたときだったので、長たらしくて脅迫めいた話にへきえきしていました。その話の内容は、「不用品を買い取る」「○○日に取に行く」「家には必ず一つや二つないはずがない」というものでした。いつもは丁重にお断りすることにしているのですが、「不要な物はあるでしょう!」という高圧的な言葉に、思わず、「うちで不要なものと言えば私ぐらいなものだ」と応えました。すると、電話の主(セールスウーマン)は、「はあぁ!」といって話が止まりました。
オヤジは、ここぞとばかりに、今忙しいので...と言って電話を切りました。そこでボクは、「もしも、『私(オヤジ)』を買うと言われたどうする積り?」と突っ込みを入れてみました。するとオヤジは、「なあぁに!食費と薬代で赤字になり、すぐに返品になるから心配ないよ」と笑いながら言いました。ボクも笑って頷きました。それにしても、オヤジの対応にはいつもひやひやします。何しろ、本人はユーモアの積りかもとれないが、相手によっては「悪ふざけ」と取られかねないので、ちょっと心配です。