最近のコロ君
散歩をする時間も距離も、一頃とはだいぶ違ったせいもあるのでしょうが、なかなかコロ君と会うことが少なくなりました。それでも、ここ数日、コロ君の元気な姿を見ることができました。最近は、目ばかりではなく耳もほとんど聞こえなくなってきたということなので、昔のように、喜びを全身で表現するあの愛くるしいしぐさは見ることはできません。しかし、匂いはかすかに感じるのか、懐かしそうにすり寄ってくるあのしぐさは健在です。
ムサシと私は、散歩に出るたびにコロ君の元気な顔を思い出し、話題にしています。ただ、ムサシと私の考えは少し違うようです。私は、1日でも多く長生きしてもらいたいと願うばかりですが、ムサシは、コロ君の生き様を見習ってほしいと思っているようです。人間でいえば、満身創痍の状態にありながら、健気にも自分の役割を懸命に果たしている姿をよく見て欲しいというのです。まるで私達人間の見苦しさを見透かしているかのようです。
ムサシには、詭弁や言い訳など通じないので、敢えて反論はしません。ただ、小さな魂が燃え尽きるまで懸命に闘っている姿を見るのが辛いことだけは解ってもらいたいのです。しかし、ワンちゃん達には、そのことすら言い訳に過ぎないと映るのかも知れません。死んでみたこともないくせに、闇雲に死を恐れうろたえる人間達が、自分の人生をワンちゃんに投影し、自分の不安を和らげようという下種な魂胆が丸見えなのかもしれませんね。