北山 覚範寺の紅葉
参道脇に立つ木の葉が黄色に染まってきている。色づき始めた葉に誘われるように階段を上っていくと、山門の左右に阿吽の仁王像が待っています。圧倒されそうな迫力ある姿です。その眼光に見据えられながら境内に足を踏み入れると、そこはもう秋まっただ中で、紅と黄色が入り混じった木々の枝が広がっています。覚範寺は、1586年に伊達政宗公の父輝宗公の菩提寺として米沢遠山村に創建され、虎哉宗乙和尚が開山一世となる。
虎哉和尚は、輝宗公の熱心な懇請を受けて政宗公6歳の時から終生の師となった名僧です。その後、伊達家に従い1592年に岩出山、1602年に現在地に移りました。この寺には、政宗公の生母保春院(最上義守の娘義姫、輝宗公没後に剃髪して名乗った号)の墓と政宗公より2年前に35歳で没した三男宗清公の供養塔があります。墓所に続く道には六地蔵が並んでいます。静寂な秋がより一層感じられます。
遠い歴史とともに眺める秋色に浸った後には、餅工房おくやま北山店で、伝統のがんづきを味わうのも楽しみの一つです。食べごたえのある昔ながらのお菓子がんづきは、白砂糖の白がんづき、黑砂糖と重曹を使った黒がんづきがあります。粉を練りセイロで蒸す工程を丁寧に手作りし、店主がその日作れる分だけ販売する。ねっとり感とふわふわ感が絶妙でとても美味しい。あん餅や草餅は普通のものより大きめで、あんは黒砂糖を混ぜているためコクがあります。