オヤジのジレンマ
このところ相棒オヤジの元気がない。それとなく聞いてみると、先日あったあのことが気になっているらしい。あのこととは、朝に起床した時、その日に着る衣服をクローゼットから持ってくるのがオヤジの習慣になっています。その日もいつものように着替えをもってきて、いつもの場所に置いたつもりだったようです。ところが顔を洗ってその場所に移動し、いざ着替えようと思ったら、そこに置いたはずの着替えがなかった。
そこで、オヤジはお母ちゃんに向かって、ここに置いた私の着替えどこへ持っていた?と少し不機嫌そうに言ったのです。するとお母ちゃんは、「知りませんよ!自分の勘違いを人のせいにしないでください!」と言い返した。しかし、オヤジは納得しない。だが、物理的にそこには着替えがないわけだし、わざわざそんなものをどこかえ持っていく人もいないのですが、オヤジにしてみれば、「自分としては、たしかに持ってきたという確信があるわけですから、他の人を疑うのは当然だ!」というのがオヤジの言い分です。
しかし、お母ちゃん曰く。「自分の勘違いを人のせいにする。オヤジの悪い癖だ!」というのです。謂われなき疑いをかけられた、お母ちゃんの心情もよく理解できますが、オヤジは、自分が勘違いをしているという認識がないわけですから、論理的には他人を疑うのは自然なことなのでしょう。せめて、「勘違いですよ!」くらいで勘弁してもらいたい。それを、「人のせいにする」「悪い癖」とまるで人でなしのように言われたのが、ひどく胸に突き刺さったようです。お母ちゃん!もう少しお手柔らかに!ボクからもお願いします。