志津川のタコ
8月8日はタコの日でした。タコの旬は夏です。二十四節気の一つ「半夏生(はんげしょう)」に、関西ではタコを食べる風習があります。なぜタコかという理由は諸説ありますが、疲労回復の効果があるタウリンを含むタコが体にいいと、昔の人は経験上わかっていたのでしょう。食用のタコは「マダコ」と「ミズダコ」が主です。マダコのほとんどが輸入物ですが、国内でも捕れます。その希少な産地の一つが宮城県南三陸町の志津川です。
「西の明石、東の志津川」といわれ、志津川ではアワビやウニを食べて育った良質のタコが捕れます。タコは低脂肪、低カロリー、高タンパクでコレステロールを抑制するといわれるタウリンも含んでいます。実はこのタウリンが、タコのあの独特の甘みを生み出すとも言われています。また、動脈硬化や視力の低下を防止してくれたり、血液中のコレステロールを下げる働き、そして血圧を正常化してくれる効果があるほか、肝臓の強化、疲労回復も手伝ってくれます。とても優れた食材といえます。
タコの歯ごたえがいいのは、イカの筋肉繊維が一方向に走っているのに比べ、タコは様々な方向に繊維が絡まっているからです。そのため加熱すると縮んでしまうので、加熱調理するときには短時間か、逆に長時間煮込むのがお勧めです。マダコは柔らかく歯切れがいいのが特徴で、ほとんどが輸入物ですが、国産のものはやや高値でも風味がよく、食感もしっかりしているため人気があります。ミズダコはタコの仲間では最大の種類で、歯ごたえがあります。タコしゃぶで使われるのは、薄くスライスしたミズダコです。