万年野党のオヤジ
わが家では、オヤジは野党であるが財務大臣を務めている。与党のお母ちゃんは、何かを決めようとするとき、当然、野党のオヤジに相談することになるが、それはうわべだけのことで、実は、とっくに結論を出している。野党もそれは先刻承知なので、頭から反対することはめったにないが、時には、そう簡単には首を縦に振らないこともある。そんな時は、キャスティングボードを握っているボクの出番ということになるが、一気に採決に入るわけにはいかない。
ボクの毛皮には、袖がついていないので、袖の下もない。そのため、収賄などにより賛成に引き入れる手法は使えないので、結局はボクが与野党を説得し、妥協案を見つけ出すしかない。たいていは、与党のお母ちゃんの意見が7割以上通ることになるが、お母ちゃんとしては、必ずしも満足していないようです。その証拠に、最終的には自分のやりたいようにものごとを運んでいるのですが、誰もこれに異議を唱えることをしません。つまり、この微妙なバランスがわが家ではベストなのです。
与党と野党の勢力が均衡している場合、どちらの側から見ても、物事が決めにくいはずです。しかし、与党としても野党の意見を無視して、強引に評決に持ち込めば、後で必ずしっぺ返しに遭います。そこで、相手はどう思うだろうかというスタンスで考えることになるから、妥当な線に行き着くことになるのでしょう。ボクが思うには、リーダーシップとは、色々な意見があるときにこそ発揮すべきものであり、時には、杓子定規に決まりを守ることより大事なこともあるような気がします。