大崎市竹工芸館
伊達政宗が青年期を過ごしたのが岩出山です。この地に昔から伝わる伝統工芸「しの竹細工」の始まりは、享保年間(1720年頃)、岩出山城第四第城主伊達村泰公が、京都から職人を呼び、藩士の手仕事として奨励したことによると伝えられています。しの竹の皮だけを使い表皮を内側にして編み上げているため、使う人の指先にやさしく、水はけもよいなど、機能的にも優れていることが大きな特徴となっています。
竹工芸館は、「竹の香」が訪れる人を温かく迎え、「竹の音」が300年の伝統を今に伝える、伊達文化と京文化を感じさせる空間となっています。館内では竹細工職人の実演などが見学でき、実際に竹細工の体験もできます。職人の丁寧な指導により、竹とんぼや一輪挿しなどの温もりあふれる竹細工体験は、子供から大人まで楽しむことができます。ただし、竹細工体験は予約が必要ですので、早めに申し込んでください。
また、ギャラリーには伝統の竹製品を始め、ガラス・陶器などと組み合わせた作品、オブジェ・インテリアなども展示されていて、竹の魅力を身近に感じることができます。伝統の手業が織りなす作品は、東北らしい深い味わいと素朴な美しさがあり、丁寧な編み方は力強さと手仕事ならではの魅力にあふれています。この竹細工とガラスのコラボも見事なもので、大崎市と姉妹都市である、北海道当別町のスウェーデン交流センターのガラスと岩出山の竹とを組み合わせた花器「花うつわ」は特に見栄えがします。