なめたがれいの煮つけ
仙台の年取りには欠かせないのが、なめたがれいです。師走の声を聞くと恋しくなる食べ物と言えば今も昔もやっぱりなめたがれいの煮つけのようです。大晦日や正月の食卓に上がる魚は、年神様をお迎えする御馳走で、厳しい寒さを乗り切るための栄養源として昔から伝わるものです。なめたがれいは、丸いからだが福々しく感じられます。正式名称は母母(ババ)ガレイといい、口の回りがシワのような筋が見られることから、そう呼ばれるという説もあるそうです。
宮城県では大量に水揚げされていましたが、近年は漁獲量が減少し、残念ながら北海道が水揚げの主流になっています。旬を迎えて脂の乗ったなめたがれいは、栄養価が高く消化もよいので、忘年会や新年会で疲れた胃にも優しい魚です。食べ方は、定番の煮つけですが、残った煮汁の煮こごりもまた、アイディア次第で活用範囲は広いようです。それには、調理した後に冷凍保存しておくことがポイントということです。
なめたがれいは高タンパクで低カロリー、消化が良く、病後や胃の調子が悪い時の体力回復にうってつけです。コラーゲンも豊富で、煮つけにすると溶けだしたゼラチンが固まり、濃厚で旨味のある煮こごりが楽しめます。皮膚の健康を保ち、疲労回復効果の高いビタミンB群の一つ、ビオミンの含有量は魚介類の中でもトップクラスです。また、魚卵は稚魚の成長に欠かせない栄養素がたっぷり含まれていて高カロリーです。その他、タンパク質をはじめ、DHAやEPA、ビタミン、ミネラルがバランスよく豊富に含まれています。