みずみずしい仙台野菜
仙台市若林区日辺は、粘土質の肥沃な土地と日当たりに恵まれ、野菜の産地となっています。この地で農業を営んでいる針生むつ子さんのご家族は、一年を通じて様々な野菜を栽培しています。寒いこの季節は、なんといっても露地栽培の寒締め野菜がお奨めとのことです。ちぢみほうれん草をはじめ、カブ、大根、水菜、雪菜、白菜などが揃います。寒さに耐えている野菜達は、根も葉もしっかりしており、美味しい。
糖度は通常7ないし8のものが、寒さが厳しくなる1月半ばぐらいには、14から15のメロンに近い値になる場合もあるということです。カブはみずみずしさがいっぱいで、爽やかな甘さです。大根はおろしてみると、頭からしっぽの方まで水分がたっぷり、辛さもほとんどなく、甘いくらいです。ほうれん草も茹でただけでしっかりとした味を感じることができ、白菜も少し塩でもむだけで豊かな風味の漬物になります。
むつ子さんは「寒締め小松菜もすごく美味しいですよ。霜にあたるので葉は白っぽいのですが、砂糖をちょっと入れて茹でると青みが増します。とろみも出て食べやすい甘さになるんです。小松菜特有の香りもほとんどなくなるので、香りが気になる方にもおすすめです。このことをご存知のお客様もいて、とても好評なんです」と話す。新鮮さはもちろん、糖度がたっぷりな寒締め野菜は、まさにこの季節しか食べられない知る人ぞ知る貴重な旨味なのです。