オヤジの疑問
日ごろゆっくりと休みを取ることができないお母ちゃんのために、お正月ぐらいはゆっくりさせたいということで、わが家では温泉で数日過ごすのが慣例になっています。今年も例年のように三人で出かけました。しかし、ただ温泉につかっているだけでは芸がないので、日中は昼食を兼ねて街に出ることにしました。特にこれといった目的がないので、何気なくふらりと立ち寄ったショッピングモールにはペットショップがあったので、ちょっと覗いてみることになりました。
そこには、ケース入れられた、チワワやマルチーズなどの可愛いワンちゃん達がたくさんいて、しばらく足を止めワンちゃん達を眺めて楽しみました。ところが気がつくとオヤジは少し不機嫌そうなのです。どうしたのとお母ちゃんが聞くと、オヤジは、「ラブラドールレドリバーがいないじゃないか?」と吐き出すように言うのです。言われてみればなるほどボクと同じラブラドールレドリバーは見当たりませんでした。
するとお母ちゃんは、「大型犬は世話をするのが大変だからでしょう」といつものようにそっけない返答。そんなことはオヤジだって十分承知しているはずです。それでもなお、寂しかったのでしょう。毎日家の中で好きなように歩き回り、夜はオヤジのベッドの中で眠るのを当たり前のように思って暮らし、いまもなおそれを続けているボクには、オヤジの心中は察するにあまりあります。それなのに常識的なコメントをしたお母ちゃんにも不満だったようです。