今年のどんと祭
小正月の伝統行事「どんと祭」が仙台市青葉区の大崎八幡宮や県内各地で行われました。大崎八幡宮では、恒例の裸参りに約115団体(3200人)が参加しました。参加者は、さらしや法被姿で「含み紙」をかみ締め、ちょうちんを掲げ、鉦を鳴らしながら参道の石段を登ります。東日本大震災の発生から5年目となる節目の年、復興への感謝と希望を込めて参加した人々も多かったようです。
一方、仙南の山元町・坂本神社では、東日本大震災で大きな被害が出た山元町の住民を励まそうと、国内外から寄せられた黄色いハンカチ4000枚が、坂元神社でのどんと祭でおたき上げされました。「頑張ろう」「心一つに」など思い思いのメッセージが記された一枚一枚を住民のみなさんが御神火にくべ、感謝と復興への決意を心に刻みました。このハンカチは、地元のボランティアガイド組織「やまもと語りべの会」が募集して、国内のほか、米国、ドイツなど世界中から震災犠牲者追悼や被災者応援のメッセージ入りで寄せられたものです。
同会がひもでつなぎ、町内3カ所に掲載していました。今回おたき上げしたのは、長い間風雨にさらされ、傷みが激しくなった分です。同会メンバーや参拝客らが境内の御神火に次々とくべ、炎に包まれて夜空に昇る煙を静かに見詰めていました。山元町は震災で町内の4割に浸水被害が出て、住民636人が犠牲になりました。同会の渡辺修次代表は、「風雨に耐えて頑張ってくれたハンカチへの感謝と、新年も住民みんなで復興に向けて頑張る決意を込めて、たき上げた」と話していました。なお、ハンカチの募集は今後も続けるそうです。