特別純米酒「いやすこ」
日本三景松島を訪れると出会える日本酒があります。それは松島町産の「ひとめぼれ」の酒米を使用した特別純米酒「いやすこ」です。町内8軒の旅館やホテルでしか味わえない限定品です。宮城を代表する観光地、松島を盛り上げようと町内の酒販店「むとう屋」が呼びかけ、賛同した旅館やホテル、コメを生産する「F・F磯崎」、塩釜市の「阿部勘酒造店」が共同で、「松島酒造りプロジェクト」を立ち上げて開発しました。
特別純米酒「いやすこ」は2007年に初出荷されました。「みずみずしく、出しゃばらない味で、煮物や刺身と共に美味しく味わえる、長く付き合いたい食中酒です」とむとう屋の専務・佐々木憲作さんが紹介しています。「いやすこ」は、主に町内8軒の旅館やホテルで食事と一緒に味わえます。300mlの飲みきりサイズで、売店で購入できる宿もあります。原料の酒米は、町内の専用田んぼで栽培されたひとめぼれを使用しています。
田植えや稲刈り、さらには蔵元での搾りなどにも、生産者や蔵元以外のプロジェクトのメンバーが参加しています。阿部勘酒造店の専務・阿部昌弘さんは「社外の方と一緒に酒造りをするのは、いやすこが初めて。コメの生産者や販売者の反応が直接わかり、よりいい酒をという思いは年々強くなっています」と表情を引き締めています。東日本大震災以降、東京で行われた復興支援イベントをきっかけに、首都圏のファンが増えたそうです。