お母ちゃんのリアクション
あれほど内緒にしようと約束したのに、オヤジは待ちきれず、お母ちゃんを散歩に誘うとき、とっておきのプレゼントがあるなどと口走ってしまいました。こういうことには目ざといお母ちゃんは、ある程度察しがついたのかも知れません。それはさておき、散歩をはじめて6ないし7分でワンちゃんの家に着き、チョコちゃんと対面することになりました。ただ、その時も家の人がいなかったので、ワンちゃんの名前を知ることはできませんでした。
その次の日の夕方、今日こそはという思いで、私たちはチョコちゃんのところに向かいました。しかし、その日も彼女一人で名前も聞けずにいましたが、その時、家の人が帰ってきて話が弾み、ようやく彼女の名前が「チョコちゃん」であることがわかったというわけです。家の人はいずれも犬があまり好きではないということですが、家族の事情でこの家に引き取られたということのようです。ここからが犬好きのお母ちゃんの出番です。
早速、水の与え方や散歩の仕方、しつけ方などについて講義が始まり、自分たちが散歩の途中であることなどすっかり忘れているようでした。それでも、うちの人達はお母ちゃんの話を熱心に聞いてくれたので、ますます博学ふりを披露し、尊敬のまなざしを一身に集めていました。こうなるとオヤジの出番はなくなります。それでも、ワンちゃんのことなので、満足げな表情を浮かべ、終始ご機嫌で散歩から帰ってきました。