牡鹿半島 万石浦
牡鹿半島の付け根付近、石巻市と女川町にまたがり、半島の山々に囲まれた巨大な入海で、ここは、カキ、ノリなどの養殖が盛んに行われています。南側は渡波港から海に繋がっているため、近世初期には、入江式による製塩が渡波・流地区で行われていました。万石浦という名前の由来は、仙台藩の二代藩主伊達忠宗が、「ここを干拓すれば一万石の米がとれるだろう」と言ったことによるものだという。
江戸時代に始まった塩田は、1960年頃まで続いていましたが、現在では、潮干狩りの名所として親しまれています。2011年3月11日の東日本大震災による津波は、万石浦の養殖棚を押し流し、地盤沈下でカキ剥き場が使用不能となるなど大きな被害を受けました。しかし、万石浦は、風越峠を望む景勝の地でもあり、今も地域住民から広く親しまれています。
東日本大震災で被害を受けたJR石巻線は、この万石浦の目の前を通っている線路で、女川駅と浦宿駅の間の2.3㎞が不通になりましたが、今年の3月21日に4ぶりに全線が開通しました。沿線の住民にとっては待ち遠しい4年間でしたが、それだけに開通した時は、大漁旗を振って歓迎しました。列車に乗って万石浦を眺めてみたら、改めて風光明媚なことを再発見しました。