鹽竈神社
鹽竈神社と言えば、塩釜市にあるあの鹽竈神社がよく知られていますが、こちらの鹽竈神社は、仙台市宮城野区榴岡にあります。この神社は、そもそも四代藩主綱村の時代に、修復のため鹽竈神社(塩釜市)の仮宮がこの近くにあった高福院に置かれたのが始まりです。仮宮跡を廃殿にしてしまうのが忍びず、町の人は新たに鹽竈明神を迎え祭ったものだそうです。
明治20年(1867年)の東北線開通、さらには近年の仙台駅東区画整理事業で移転を迫られた時も、氏子の方々が神社を守り抜き、平成14年、現在地に新しい社殿を完成させました。名掛丁に居住した組士、名掛組の末裔としての誇りが、その原動力になったようです。周辺は様変わりしましたが、「町を離れた人も、新たに越してきた人も共に神社に集いたい」と話すのは、名掛丁東名会の渡邉昭男さんです。
ビルの谷間にありながら、人と人、過去と現在をしっかりと結んでいます。仙台駅東口、名掛丁の人々が誇りをかけて守り抜いた鹽竈神社、そして、作家島崎藤村ゆかりの広場、名掛丁という町名は残したいと東名会の方々は意気込んでいます。社殿はぐるりとビルに取り囲まれていますが、毎年行われる10月第2日曜日の例大祭には、区画整理事業で離れた人も、この日には帰ってくるそうです。