サンマの天日干し
全国でも有数のサンマ水揚げを誇る宮城県女川町では、1月14日からサンマの天日干しが始まりました。スダレのように吊り下げせれた魚体は冬の日差しを浴び、銀色に輝いています。この季節になると毎年繰り返される女川の風物詩ですが、あの大震災後はしばらく見かけられなくなった時期もありました。今年は、町内の水産加工会社「ヤマホンベイフーズ」が先陣を切って始めました。
従業員は特性の塩だれに一晩漬けたサンマ約3000匹を串に刺し、午前8時ごろから工場内の敷地に干しました。乾燥した寒風が吹く日に半日ほど太陽に曝すことで、余計な水分と生臭さが抜け、旨味が増すのだそうです。山本丈晴社長によりますと、東日本大震災の影響で販路が縮小したこともあり、生産量は震災前の5分の1にあたる約20tを見込んでいるということです。
昔ながらの製法なので、いきなり大量生産に戻しては質のいいモノが作れない。徐々に固定客を増やしたい」と話しています。陽光を浴びて旨味を増す「漬けサンマ」の天日干しは、この後3月末まで続けられます。東日本大震災から4年目を迎える今年こそ、サンマの町女川が完全に復興を遂げることでしょう。そうなれば、あの美味しいサンマが全国の家庭の食卓に乗る日もぐっと近づくことになります。