榴岡天満宮
榴ヶ岡の西端に鎮座する榴岡天満宮は、菅原道真公を祭る学問の神様で、"天神さん"の名で親しまれてきました。受験のときにお参りした思い出を持つ人も多いのではないでしょうか。社殿の前には、「合格しますように」と願いを書き込んだたくさんの絵馬が下げられています。宮町の北端、玉手崎とよばれた地から移されたのは寛文7年(1667年)で、そこに東照宮が創建されることになりました。
四代藩主綱村が元禄8年(1695年)に榴ヶ岡に数千本の桜を植え釈迦堂を建立した際には、天満宮も本殿、拝殿、神楽殿を備えた壮麗な境内に整えられたと伝えられています。元禄2年(1689年)に、松尾芭蕉が参詣したこともあり、境内には句碑、歌碑が多い。仙台で最も早く開花するという境内の梅の花を眺めながら、合格の報告をする人も少なくないようです。「ちょうどお礼参りの方々が参拝されているときにあの揺れが来たんですよ」と話すのは宮司の菅野棟之さん。
社殿は甚大な被害を受け、4月7日の余震で社務所が倒壊しました。建て替えや大改修の進む境内で、2012年11月24日、25日、「天神様でみんなの市」が始まりました。「25日は天神様のご縁日なんです。まわりはずいぶん変わったけれど、自分が子供のころよく遊んでいたように、もう一度子供たちが集まる天神さんにしたいと思って」と、神社総代で市を運営する櫻井栄太郎さんが話しています。新年は生まれ変わった社殿でお迎えできるので、多くの参拝者を集めそうです。