マリンピア 松島水族館(その1)
マンボウ、ラッコ、ペンギンなど海の人気者が勢ぞろいする水族館として親しまれてきた「マリンピア 松島水族館」ですが、2015年5月10日に、88年の歴史に幕を閉じ、閉館することになりました。当時は松島水族館と呼ばれ、1927年(昭和2年)に私立水族館としてオープンしました。富山県の魚津水族館に続く日本で2番目に古い水族館です。ちょうど松島が観光地として注目され始めたころで、当初は鹿、小鳥、アナグマなど小動物も展示され、娯楽施設としての色彩が強かったようです。
戦時中は休館を余儀なくされましたが、戦後の復興をかけ整備に奮闘し、魚類の標本を充実させ、子供向けの学習会を行うなど、社会教育施設を目指しました。正式に博物館登録認可を受けたのち、熱帯魚ブームの際には、一般にも飼育技術を普及させる活動を積極的に行いました。1969年(昭和44年)に現在の仙台急行に経営が移ると、次々と新施設を建設し、新たな生物展示にも意欲的に取り組みました。
1978年(昭和53年)には、東北で初めて世界最小のクジラ・スナメリを展示し、オスの2頭は「スナオ」「メリオ」と名付けられ、翌年9月に当時の飼育世界記録を更新したマンボウの「プクプク」と共に2大スターとして人気を集めました。1973年までは朱塗りの竜宮門があり、長い間、松島水族館のシンボルとなっていました。その後、改築に伴い正面入り口は現在のように新装されました。